先週末(7月2〜3日)、岩手の県北、久慈市(旧山形村)にあるバッタリー村へ行ってきました。仙台から約300kmの車の旅!これは、モノづくりのコミュニティー「nanica」の旅企画「dococa」の第1回目として行われました。

バッタリー村とは?

その前に「バッタリー」とは何か?ですよね〜「バッタリー」とは水車を動力とし米・脱穀などを精米・製粉する木組みの装置。バッタンバッタンという音から「バッタリー」と言う名前がついたようです。そのバッタリーを村長の木藤古(きとうご)さんが復活させ、冠した村。山の生活をガチで体験できる宿泊施設。食事ももちろん自炊、ケータイの電波は入らない!観光地の類ではありません。私たちのような山の生活を楽しむ一般の宿泊客もおりますが、小学校の野外体験〜大学の研修まで幅広い方面で利用されてます。

憲章が素晴らしい!

昭和60年に高らかに唱えられた憲章がステキ!「この村は与えられた自然を生かし/この村に住むことに埃をもつ/一人一芸何かをつくり/都会の後を追い求めず/独自の生活文化を伝統の中から想像し/集落の共同生活と和の精神で/生活を高めようとする村である」今となってはシックリくる内容ですが、バブル絶頂期にこれを掲げ25年継続しているのだから脱帽。ポット出の”スローライフ系”ではない!自然とガチ勝負です。

山の生活の全てがある

バッタリー村に到着後すぐに周辺を散策。まず山の生活に欠かせない炭を作る「炭焼き釜」の見学。ここでは炭焼き技術の伝承を図りつつ、環境素材として多用途利用の素材としての研究もなされています。そしてメインの宿泊施設の「創作館」へ…訳あって今回はココに泊まれなくなりましたが見学だけでも〜老朽化が進みこのままでは朽ち果てる運命だった茅葺き(かやぶき)の家を改修し、なんとも癒される趣の宿泊施設に…囲炉裏を真ん中に、土間の台所、縁側と先人の知が詰まった居住スペース。基本コレですよ。離れには五右衛門風呂。無条件チルアウトや〜。

楽しい夕食タイム!

施設探索、ちょっとした入村式をしたあと、この旅の楽しみ炭火BBQの準備!良質の炭火を贅沢に使って、地のモノを食らう(>_<;)最高の贅沢です。途中、道の駅で買ったきた地場の野菜、蔵元から買ってきた地酒「南部美人」、そしてオーダーしていた名産「短角牛」もそろった!シメのうどんも粉からの手作りです。食べるだけが楽しみじゃない!作ることも同じくらい楽しい(キッチンドランカーの場合特に!)。そんなこんな、でもBBQなので食材を切るくらいですがね〜 うどんはコシを出すために踏み踏み15分。これは疲れたが、美味しいビールのためならエンリャコリャ(‘-‘*)♪

交流がバッタリー村での一番の醍醐味!

夜も深まり、ビールや地酒「南部美人」も良い感じに回ってきたタイミングで村長の木藤古さんが合流。ここから濃い時間がスタートです。実は木藤古さん昔は今の山暮らしを否定し、そんな暮らしはもう時代遅れだ!というような仕事をしていたそうです。しかし父の炭焼きを勉強しに若者や大学の先生が訪ねて来るようになり「これからは炭の時代だ!」と言われ、たくさんの矛盾の中で色々考えられたそうです。そして今までの自然の暮らしを再び見つめ直し、埃として…迂余曲折(皮切りに短角牛を出荷したり…)あり、意を決して「バッタリー村」を開村したそうです。コチラからもこういう仕事や活動をしていると情報交換して夜はふけていきました。

村長の行動力!

齢80を数える村長ですが、その行動力、好奇心がハンパない。気になった事や人を見つけると居ても立ってもいられない!どうにかしてコンタクトをとり実際に会って話しをする。そして刺激をもらい次の行動をとる。普通ならいわゆる”隠居”で人と接するもの億劫がる年だと思うのですが、ミジンも感じない。とにかく、人と話をして情報や考え方の「Give And Take」、交流が好きなんだな〜と感じました。だから、リピーターが絶えない。人柄なんでしょうね〜

朝を迎え〜

ほどよいアルコールで熟睡し快調な朝!五右衛門風呂を堪能し、次の目的地「盛岡」に足を向けました〜ありがとうバッタリー村!

まとめ -自然しかない、それで十分-

まず、ケータイの電波が入らない事が素晴らしい。もちろんネット関連も皆無。今の時代この環境はとても価値のある事だと思った。だから会話が・交流が生まれる。考えるとちょっと前までは皆こんな生活をしていたのだから不思議。そして、夜は圧倒的な暗闇。道路沿いに街灯あるものの闇闇闇+不思議な声で泣く鳥。この環境じゃ妖怪話や神話も納得できます。そして音楽も一応持って行ったのですが、無くていい。アトランダムに聞こえてくる小鳥さえずり、風でなびく木々の音。全てがミュージックに聞こえました。簡単な弦楽器があればそれで満たされる〜。