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Web2.0関連の本、雑誌、記事は一通りみてきました。ちょっと遅いですがこの本を読んで良かったなぁ〜と思った事は、広い視野でWebの世界を見る事ができた事、ちょっと丘に登って街を見渡した感じです。梅田 望夫著「Web進化論」

とにかくWebの世界は日進月歩で発展。私がそこそこ興味を持ち出し凝視して見てきたのはここ4〜5年位ですが、今振り返るとだいぶ昔の様に思えます。”blog”だって4年前には「なにそれ?」”Google”って”Goo”の何か?この頃は”Yahoo!”がトップランナーでしたから。でもその頃(以前)から、現在真っ盛りのWeb2.0の芽が出てきたみたいです。そのパラダイムシフトを成した”Google“が創業したのが1997年、検索エンジンとして世界の支持を集めたのが2004年。ちょっと前の様ですが、かなり昔の話です。

この「Web進化論」には幾つかのキーワードが出てきます。「インターネット」「グーグル」「オープンソース」「チープ革命」「あちら側」「こちら側」「群衆の叡智」「情報の共有」「ロングテール」「API」「blog」「SNS」…などWeb2.0的なキーワードも沢山ありますが、その内容は狭義ではなく広義で書かれ且つ著者の経験からなる先見を加味した物で、その点がただ表面を語っている他の本とは違うなぁ〜さすが進化論だなぁ〜と思いました。

僕がこの本を読んで面白いと思った所は(かなりあるんですが…)
1)「Google アドセンス」の世界的視点の使い方…
日本・アメリカ・ヨーロッパで「Google アドセンス」での収入は小遣い程度にならなくても、発展途上国の人々が魅力的なブログなどのコンテンツを作り「Google アドセンス」を導入したときの価値って、これまで経験した事の無いブレークスルーだと思いました。本書にも出てくる「新しい富の配分のメカニズム」

2)Yahoo!とGoogleの違いについて
Yahoo!は「人の介在」を重要視している”メディア”と言う見方に対して、Googleは「自動的に事が成していく情報発電所」つまりテクノロジーと言う見方。ある程度自動的に物事が成り立って機能していく事はユーザーにとって手間を掛けさせないで済む「Google アドワーズ」が分かり易いかと…

3)ブログと総表現社会
最近のブログは分母数が増えて来た事により、価値がある物も確実に増えてきた。その価値がある(自分にとって)情報に簡単に辿り着けるようなブレークスルーが起こると既存の構造(新聞・雑誌・テレビなど)に何らかの変化が起こる。

4)ウィキペディアの達成
僕も日に何度か使わせて貰うウィキペディア。不特定多数の知の集合「群衆の叡智」からなる誰でも編集可能なネット上の百科事典。なんと英ネイチャー調べによるとブリタニカ百科事典と同様の品質だとか。

5)やっぱり日本は…
インターネット・ケータイの接続環境が世界一だと言う事。だからyoutubeの利用者が多いのも頷ける。そんな環境で育った次世代がとても期待大!

読み終わって…
情報と言うのは公開・共有し、そのお互いが関係し合ってまた別の価値を生み出していく物。そしてそれが本格的に起こり始めたのが今現在の状況。それは既得権益に触れるので、これまでの考え方・構造では容易に理解できない。いち早くその事に気が付き行動した者が、これから世界を有効に生きていける。そう思いました。